キャラバン実施報告

CARABAN REPORT

いわきルート

いわきルート キャラバン概略

メンバー:ジェームス・千花

 

参加メンバー( )内はパート名
井上弘之(1)、宗像豊(1)、三木隆二郎(1)、鈴木宏明(2)、山田幸子(2)、古賀忠夫(2)、ローラ・ハート(2)、永井友子(2)、平野千世(2)、森大地(3)、森口美幸(3)、ジェームス・千花(3)、沓掛孝男(4)、竹内嘉浩(4)、飯田和子(4)

 
 2023年5月21日、あづま総合運動公園アリーナで指揮者の田中健先生率いる500人のチェリストと高校生の若さみなぎるコーラス、そして東京チェロアンサンブルのメンバーおよび全国各地から応援に駆けつけてくださったプロのチェリストの方々とのアンサンブルが行なわれました。

 その熱気も冷めやらぬ翌22日、私たち15名は福島市より南に下ったいわき市内の「龍雲寺」「スパリゾートハワイアンズ」、そして老舗の温泉宿である「古滝屋」の3カ所を回ってきました。
 
①龍雲寺

 龍雲寺へ到着すると、そこにはみっしりと用意された客席にあふれんばかりのお客様!! たまたますれ違った方に「檀家さんですか?」と尋ねたところ、そうではなく知人からの紹介で足を運んでくれたとのこと。ああ、なんて嬉しい!

 
 私たちの紹介が終わり、1曲目の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の演奏の支度を始めた時、客席にいたデクラーク・フィービーさんが飛び入りで一緒に歌を歌ってくれるとの事!
 彼女は、オーストラリアからワーキングホリデーでいわきに来ていた、いわき生まれの声楽科出身の才能豊かでチャーミングな方。紹介と同時にすっくと立ちあがり、おそらく歌曲とは調性も違うでしょうに、そんなことを微塵も感じさせない澄んだ歌声を披露してくれました。また、こちらの会場には浪江出身の方はいらっしゃらなかったのですが、「ふるさと浪江」を演奏する際にはメンバーによる支援活動の紹介があり、そして彼の独唱に胸を打たれました。

 
 演奏後はチェロについての質問がお客様の方から飛び出し、楽器への関心も持ってくださったことにとても嬉しく思いました。
 
②スパリゾートハワイアンズ
 さて、次に向かうはあの映画『フラガール』の舞台となった「スパリゾートハワイアンズ」。
 道中、信号でマイカーチームが先発のバスとはぐれ、目的地近くまでたどり着いたものの合流できず。あわててメンバーに電話を掛けたところ、なんとなんとその電話を手に運転手さんが私たちのところまで猛ダッシュ!!
 
 分刻みのスケジュールが予定されている中、現場の方はさぞかしハラハラされたことでしょう。運転手さんの大活躍により、一同無事に開演時間に間に合い、ハワイアンズに訪れていたお客様にも「何が始まるんでしょう?」と興味津々で出迎えていただきました。

 
 「星空のエール」の演奏の際は、舞台に素敵なフラガールも登場。背後がすごく気になるのに、振り向けないジレンマと戦いつつ、演奏を終え、各自ステージをバックに記念撮影。
 
 次はチェロなし・水着持参!と再訪を心に決め、ハワイアンズを後に最終目的地の老舗の温泉旅館である「古滝屋」へいざ出発!
(後に、スパリゾートハワイアンズ公式X(旧Twitter)で、その時の模様を少し紹介してくれています)
https://x.com/srh_staff/status/1660497993177661440?s=20

 
③旅館古滝屋
 しかし!ジャンヌ・ダルク張りに「私についてきて!!」とマイカーチームの先導を切った私が向かった先は山!? 急な坂道を上った先は道幅はどんどん狭くなっていくし、後続のメンバーのことも気になるし・・・。案の定、バッチリ道を間違っていました(大汗)。その間、先に到着したバスチームをどれだけヤキモキさせたことか・・・。
 
 マイカーチームが到着したころには、司会担当のお2人によるこれまでの活動の紹介などのトークで客席との一体感がすでにでき上がっていて、その雰囲気の中に迎えられ、お客様の手拍子・歌声の大きく響く中、最後の演奏をお届けすることができました。

 キャラバンでの活動を通し、演奏を提供する立場にありながら、お客様に盛り上げてもらい、それに応えたくてまたがんばる。そんな音楽のキャッチボールを体験することができました。

 また、ハプニングに付きまとわれつつも最後までやり遂げられたのは、リーダーの統制力とメンバーの暖かいサポートがあってこそ。もしも不測の事態に襲われたとき、支え合うことができない環境にあったら、どれだけ過酷な状況になるのでしょう。支え合うことへの感謝と、感動の一日でした。
 
 またとない貴重な経験ができ、ありがとうございます。